hash out projectが企画するしまった写真展（仮）は勝手に撮れて”しまった写真”をさまざまな人から集めて展示をする。

写真を撮るという行為はとても能動的だ。そこには撮影対象と、カメラという機械を通した撮影者という絶対的な関係が存在している。しかしその関係性はある場合において翻ることがある。それはミスタッチなどによって記録された写真だ。スマートフォンをポケットに入れていて、知らないうちに意味不明なテキストを送信してしまうように、スマートフォンの中にも「勝手に」撮れてしまった写真が、誰しもに少なからず存在しているはずだ。私はそれをヴァナキュラー写真であると考える。ヴァナキュラーとは、建築分野においては土着的かつ風土の特色を利用して作られたものを指し、建築家なしの建築ともいわれる。写真分野においては、集合写真やセルフィーといった写真史の枠組みからは外れた不特定多数の写真のことを指す。しまった写真展（仮）では、建築と写真のどちらの要素も兼ね備えたあたらしいヴァナキュラー写真が展開されるだろう。

来場者には、専用のサイトに写真をアップロードしてもらいその場で印刷をする。印刷された写真は会場内のどこに貼り付けても良い。そうして出来上がった会場が一つの作品となっていく、ランニング型の展示だ。

これらの写真は、一体誰によって撮られた写真なのであろうか。もしかするとその写真に写っているものは、私たちがデータで記録することのできない、「雰囲気」や「におい」といったものなのかもしれない。単なる接触によって生まれた写真が、写真というメディアの一方向的・不可逆的な側面に疑問を投げかけることができることを期待する。

会場では併せて、ZINE製作のワークショップや、あたらしいヴァナキュラーな”モノ”を提案するマーケットを開催する。

hash out projectインスタグラム：https://www.instagram.com/hashoutproject/

【常設展】

日時：10月28日(土)～11月26日(日)　10:00～22:00

場所：大宮門街WEST 1階

【オープニングレセプション】

日時：10月28日(土)

場所：大宮門街WEST 5階

【マーケット】

日時：11月5日(日)

場所：大宮門街WEST 5階