さいたまアーツセンタープロジェクト2023*では、長期的に作家と関わり作品制作を行う「アーツスクールプログラム」を実施します。アーツスクールプログラム第1 弾として、演出家・民俗芸能アーカイバーの武田力さんによる演劇ワークショップ「わたしの国からこんにちは」の参加者を募集します。全6 回のワークショップで自分を表現し、さいたま国際芸術祭2023会期中に作品を発表します。ぜひご参加ください。


作品概要

『わたしの国からこんにちは』

「わたし」を表現しよう!あなたはどのくらい自分のことを知っていますか?そして、わたしたちが暮らす世界のことを知っていますか?このプログラムでは、一人ひとりの「わたし」を国に例えて、表現しながら「わたしたち」=(さいたま含む)世界を捉えていきます。表現することを通して、「わたし」「わたしたち」をどのように知ることができるでしょうか。身体を使って自分を表現することを学び、最後は演劇として発表します。「わたし」を表現することを一緒に学びましょう。


ワークショップの概要

人間は一人ひとりが違う価値観で生きていて、それが集まってわたしたちの社会は構成されています。ひとりの価値観をできるだけ尊重するこの民主主義的なあり方は、アートの前提となる考え方ですが、前近代に生まれた民俗芸能にもそのあり方はみて取れます。それはどんな時代にも人は信念によって生きる必然性があることを示していると思います。信念は一人ひとりが生きていく指針を示す大切な価値観ですが、それに固執しすぎると、様々な滞りが生じることもあります。では、それを承知の上でも突き通したい信念があるときには、どうしたら良いのでしょうか?そんなことを演劇が持つ「嘘」も用いながら、みなさんと考えられたらと思っています。そして、この作品を通じて、世界に生じている大きな問題とも接続できることを望んでいます。ワークショップや対話を重ねながら、他者や自身、それらと相互性を持つ社会を、表現することを通じて捉えます。最終日には観客を交えての発表を行い、一人ひとりの信念やそこに生じ得る障害について考えを巡らせます。


ワークショップの目的

・身体を用いて自分を表現してみる。

・表現することを通じて、誰かと出会い、その人を知ってみる。

・作品として表現するとはどういうことか、考えてみる。


日時・会場 (ワークショップ・リハーサル・本番)


参加費

無料

※会場までの交通費等はご自身でご負担ください。 また、出演料はありません。


募集人数

15~20名程度

※応募者多数の場合は、選考を行います。


応募期間

2023年7月15日(土)~8月10日(木) 23時59分まで


応募条件

・小学生以上(ひとりでワークショップに参加できる方)

※未成年者の場合、保護者の同意が必要となります。

・国籍不問

・原則、全ての日程に参加でき、ワークショップ、本番で舞台に出演できる方。


日時・会場 (ワークショップ・リハーサル・本番)


注意事項

・応募多数の場合は選考になります(選考方法は応募フォームからご確認ください)。

・ワークショップは日本語で行います。通訳はありません。

・ワークショップ会場は駐車場がありません。公共交通機関でお越しお越しください。

・ワークショップ会場では上履きを着用しますのでご自身でご用意ください。


応募方法

SACP公式公式WEBサイトからご応募ください。

【SACP公式WEBサイト】https://sightamaartscenter.wixsite.com/sacp

※応募多数の場合は、応募内容から審査をさせていただき、8月下旬にご応募いただいた方全員に参加可否についてご連絡いたします。

※ご記入いただいた個人情報は、本プログラムに関するご連絡またはご案内の目的以外には使用いたしません。芸術祭終了後、個人情報は責任をもって処分いたします。


主催主催

さいたま国際芸術祭実行委員会

演出家コメント

「人間は誰にも生活があって、それは誰かとの関わりの中で営まれている」。そんな当たり前のことでも、いや、当たり前のことだからこそ、意識して味わうように生きることは難しい。しかも、一人ひとりの生活は誰かの生活と関わり合いながら、少しずつ/緩やかに/何処かへと/一団となって、変化しながら日常を漂っていく。「捉えた!」と思えた瞬間には形を変えてしまうのです。

『わたしの国からこんにちは』では、多くの人にとってささやかで無意識に過ごせてしまう日常に焦点を当てます。この演劇は「いつものあなた」を稽古場に持ってきてもらえれば、誰でも俳優になれます。日常を舞台に上げようとすれば、それは非日常になるけれども、非日常だからこそ捉えられる日常があります。みなさんの日常と非日常の往来から、どんな「わたし」をあなたは覗くことができるでしょうか?それは、いま・この瞬間に、さいたまという土地に生きている「わたしたち」を知ることにもなると思います。

武田 力


武田力 TAKEDA Riki |演出家 / 民俗芸能アーカイバー

立教大学で初等教育を学び、幼稚園勤務を経て、演劇カンパニーのチェルフィッチュに俳優として参加。欧米を中心に活動するが、東日本大震災を機に演出家となる。「警察からの指導」「たこ焼き」「小学校の教科書」など日常に身近な物事を素材とし、観客と現代を思索する作品を展開する。また、アートを活用した民俗芸能の復興にも取り組んでおり、過疎化の進んだ滋賀県朽木古屋集落の六斎念仏踊りの復活/継承や、福岡県八女市笠原地区にて、農業と芸術の関係性を問い直す奥八女芸農プロジェクトに参画している。

近年はフィリピンの国際演劇祭Karnabal や、中国の明当代美術館で滞在制作を行い、活動範囲を拡げている。2016 年度、2017 年度アーツコミッション・ヨコハマ「創造都市横浜における若手芸術家育成助成」、2019 年度国際交流基金「アジア・フェローシップ」に選定。九州大学芸術工学部非常勤講師。


さいたまアーツセンタープロジェクト2023*(SACP2023*)

日常生活のなかで、誰でもアートに参加する習慣を生み出す「アーツセンター」を創造するプロジェクト。2019 年から約120 ものプログラムを実施してきた経験をいかし、創造性・リアル・対話のある場を大切にしながらスクーリング、レクチャーや展示を行う。「展覧会プログラム」は、建物が登録有形文化財に登録している料亭からアーティストが集うギャラリーまで市内8 ヵ所で展開される。場所×アートとのマッチングにも注目。また、「ウィークデーアーツプログラム」では水曜・金曜・土曜に音楽やアートに触れられるプログラムを用意。プロジェクトの拠点は「氷川の杜ひろば(大図書館)」に設けられる「SACP BASE」。